東京都は全国と比較して少子化が進行しているというのは本当ですか?
過去10年で見てみると、都の出生数減少率は全国と比べて小さく、全国の出生数に占める都の出生数の割合は、近年上昇し、2025年は12.7%まで上昇しました。
また、都道府県別では、2025年の出生数が前年から増加したのは、わずか4都県のみで、都の増加数が突出しています。
こうしたことから、都の出生数増加が、全国の少子化の進行を押しとどめているといえます。

東京都は全国と比較して少子化が進行しているというのは本当ですか?
過去10年で見てみると、都の出生数減少率は全国と比べて小さく、全国の出生数に占める都の出生数の割合は、近年上昇し、2025年は12.7%まで上昇しました。
また、都道府県別では、2025年の出生数が前年から増加したのは、わずか4都県のみで、都の増加数が突出しています。
こうしたことから、都の出生数増加が、全国の少子化の進行を押しとどめているといえます。

今回の都の出生数増加はもっぱら周辺3県からの出産予定者の流入によるものではないですか?
東京都において出産年齢のピークは、30代であり、全体の7割を占めています。都の年代別の転出入の状況をみると、20代は一貫して転入超過である一方、出産年齢のピークである30代は、コロナ禍以降転出超過となっています。
30代の転出超過を地域別に見ると、主に周辺3県(神奈川県、埼玉県、千葉県)への転出超過となります。
住民基本台帳移動報告(総務省)からは、出生数の増加が、必ずしも「周辺3県からの出産予定者の流入によるものである」とは言えません。

20代の若者が東京に多く流入しているから、出生数が増えたのではないですか?
都における年代別の転出入の状況をみると、20代は7.8万人の転入超過となっています。一方で、全国の各地域から地域の大都市への転入出の状況をみると、いずれの都市も20代は転入超過となっており、東京と同様の状況にあります。なお、20代の非大都市圏から三大都市圏への移動理由は、就職・進学等で約8割を占めています。
そうした中で、各地域の大都市における2024年から2025年にかけての出生数の増減率をみると、東京は1.0%増であり、各地域の大都市の中でも、出生数の増加率が高い水準にあることが分かります。
こうしたことから、東京は、若者が集まる都市の中でも、出生数が増えている数少ない都市であると言えます。

東京には、都外から若い人が流入している一方で、結婚することが難しいのではないですか?
都内の婚姻数は、2024年に増加に転じ、2025年も4.0%増と、2年連続で大幅に増加しました。
全国の婚姻数も増加していますが、2025年の婚姻数増加分(4,027人)のうち、4分の3が東京都での増加分(3,040人)となっています。また、全国の婚姻数に占める都の割合も、2015年が13.7%であったのに対し、2025年には16.2%まで上昇しています。
加えて、人口千人当たりの婚姻数(婚姻率)をみると、東京は全国トップであることが分かります。さらに、婚姻数を20,30代の若者の数で割った数字をみても、東京は一貫して全国を上回っており、若者が集まっていることを差し引いても、東京の婚姻数の伸びが目立っています。とりわけ、2021年以降は、全国は横ばいである一方で、東京は増加しており、両者の差は拡大しています。
こうしたことから、東京が「出会いの場」となっており、全国の婚姻数増を牽引しているといえます。


都の子育て支援策が都外からの人口流入を促進しているのではないですか?
都はこれまで、都民の不安や悩みに寄り添った様々な子育て支援策を実施してきました。
今では、都内に居住する子育て層の約9割が、「住んでいる地域が子育てに良い場所である」と回答しており、その割合は2年連続で増加しています。都からの0歳から14歳までの子供の転出は、2022年以降大幅に減少しており、都の子育て支援策が、子育て中の都民の定着につながっていると考えられます。
また、都への子供の転入は、2021年以降横ばいとなっており、都の子育て支援策が、都外からの人口流入を促進しているわけではないことが分かります。
都の子育て支援策は、都外からの子育て世帯の流入を促進しているのではなく、都民の定着を促進しており、東京で子供を持つことに対する「ハードル」を下げているといえます。

都の潤沢な財政力によって、子育て世帯への経済的支援を強化してきたことで、他の自治体との格差や不協和音が生じているのではないですか?
各地域が抱える課題や状況を踏まえ、それぞれの自治体が必要な行政サービスを展開していくことは、地方自治の基本です。都は、徹底した事業見直しで財源をねん出し、山積する課題に対して優先順位をつけながら取り組んできました。
また、都の子育て支援は、経済的な支援策のみを強化しているのではなく、人を中心としたシームレスな支援策を多面的に展開しています。具体的には、保育等の待機児童の解消や育業の推進等といった、仕事と家事・育児の両立を後押しする取組、出産前後の伴走型の相談支援や子供・子育てメンター「ギュッとチャット」等の、出産・子育てに関する不安に寄り添った支援策など、幅広い施策に分野横断的に取り組んでいます。
018サポートや高校等授業料の無償化など、都が先駆的に取り組んできた施策は、国にも大きな影響を与えています。日本全体の若者が明るい将来展望を描けるよう、都の先駆的な取組を全国に波及させ、国を挙げた取組に発展させることが重要です。
このため、都はもとより、国全体としての少子化対策の推進に向け、国との連携を一層強化していきます。

東京都ではこれまでにどんな少子化対策を行ってきましたか?
これまで都では、一刻の猶予もないとの認識の下、 「望む人が安心して子供を産み育てられる社会」を実現するために、出会いから結婚、妊娠・出産、子供の健やかな成長に至るまで、切れ目ない支援を展開してきました。具体的には、「育業」の推進(2022年度から)、018サポートや第二子保育料無償化(2023年度から)、高校等授業料の実質無償化や学校給食費の負担軽減(2024年度から)、第一子保育料無償化(2025年度から)などの取組を進めてきました。

こうした不安や悩みに寄り添う取組の成果が、都内に着実に浸透しており、都民からの「共感」が「実感」に繋がりつつあります。例えば、待機児童解消や男性の育業取得率の向上等があります。
【待機児童解消】
10年前は8,466人と8千人を超えていた待機児童は、2025年は339人と、今やほぼ解消しています。

【男性の育業取得率の向上】
「夫の家事・育児時間が長い夫婦の方が、第2子以降の子が多く生まれている」という調査結果※もあり、男性の育業取得率は、出生数の増加につながりうる重要な要素です。
こうした中、都内民間企業に勤める男性の育業取得率は、60%を超えました。また、都内民間企業に勤める男性の育業取得期間は、「3か月以上」の割合が大幅に増加しています。
※厚生労働省「第11回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)」より

【子育て・教育費用に悩む保護者が減少】
また、都の調査では、子育てや教育の費用に悩む保護者は、24年(47.7%)から25年(36.0%)にかけて、約11.7ポイント減少しました。

また、都の018サポートが国の児童手当の所得制限撤廃につながったほか、私立学校を含む高校等授業料の実質無償化や学校給食費の負担軽減についても国の令和8年度予算に計上されるなど、都が国をリードし、社会に大きな流れを作っています。

少子化の指標としてよく取り上げられる「合計特殊出生率(TFR)」とは何ですか?
少子化の指標としてよく取り上げられる「合計特殊出生率(TFR:Total Fertility Rate)」は、1人の女性がその年次の年齢別出生率で、生涯に出産すると仮定したときの子供の数に相当する指標です。この指標は、出生数が変わらなくとも、様々な要素(出産年齢のピーク・女性の人口移動など)の影響を受けて変動するため、単純な都道府県間の比較には適していません。
・生まれる子供の数が同じでも、出産する年齢層が異なると合計特殊出生率は変わる
例えば、女性の人口構成比が同じ自治体Aと自治体Bにおいて 全体の出生数が同じでも、出産年齢のピークが異なると合計特殊出生率が変わります。

・生まれる子供の数が同じでも、女性の人口移動が生じると合計特殊出生率は変わる
合計特殊出生率は分母である女性人口に未婚者も含むため、未婚女性が多く流出する地方型では合計特殊出生率は高い数値に、未婚女性が多く流入する都市型では合計特殊出生率は低い数値になります。

東京都はなぜ合計特殊出生率(TFR)が低く出るのですか?
「合計特殊出生率(TFR:Total Fertility Rate)」の分母である女性人口には未婚の人も含まれるため、人口移動により率は大きく変動します。東京都をはじめとした都市部では、晩婚・晩産の傾向があることに加え、就学や就職により未婚女性が流入するため、合計特殊出生率が低く出る傾向があります。
一方で、東京都の「出生率(全人口千人当たりの出生数)」と「有配偶出生率(結婚している15~49歳の女性千人当たりの出生数)」は全国および46道府県に比べて高く、同じ「出生率」でも見え方が異なります。少子化の状況を正しく理解するためには、地域の特性を踏まえ、様々な指標の中身を多面的に見ていくことが重要です。

東京では出生数が増えているのに、合計特殊出生率(TFR)が変わっていない理由は?
全国の合計特殊出生率が引き続き減少している中、減少を続けてきた都の合計特殊出生率が横ばいとなったこと自体が特筆すべきことです。
合計特殊出生率は、「出生数」「女性人口」「年齢構成」の三つの要素に影響を受けます。具体的には「出生数の増加」、「女性人口の減少」、「出生率の高い年齢層の女性人口の比率の減少」が、合計特殊出生率にプラスの影響を与えます。
2025年の都の合計特殊出生率を分解してみると、出生数が増加(8.4万人から8.5万人)し、女性人口は減少(292.9万人から291.8万人)しており、合計特殊出生率にはプラスに作用しています。一方で、出生率のピークである30代の女性人口比率が上昇したことがマイナスに作用し、横ばいになりました。
なお、30代の女性人口比率が増えた理由は、他地域からの流入によるものではなく、20代の若者が東京に「定着」して30代になったこと(年齢進行)等によるものです。

