令和4年11月実施 有識者等ヒアリングの結果について
1 ヒアリングの結果
望む人誰もが子供を産み育てやすい社会の実現に向け、対策の充実を検討するため、少子化問題に優れた知見のある有識者及び子育て経験等について積極的に発信しているタレントに対しヒアリングを実施しました。
2 主な意見
(1)雇用、働き方、結婚について
- 日本ではほとんどの子供が結婚している夫婦から生まれているため、未婚化の進展は直接的に少子化につながる。
- 未婚化の進行が少子化の主要因。未婚者増加の主要因は、若年層の貧困と雇用の不安定化。年収及び雇用形態と未婚化は明確な相関関係があり、若年層が安心して働き、安定した収入を得られるようにする必要がある。
- 従来型の新卒一括採用・年功序列が、女性が出産・子育てなどで離職した後のキャリア再構築を難しくしている。
- 特に乳幼児期は、夕方には夫婦がそろっていないと育児は厳しい。男性の育児参加を促進するには企業が変わる必要がある。また、企業に対し子育てのためのフレックスやテレワーク導入を奨励し、広く誰もが使える制度として普及させることも必要である。
- ライフ・ワーク・バランスの理想と現実のギャップを埋め、子供と過ごす時間の保障や仕事と子育ての両立が図られるよう企業に働きかけるとともに、都も実践して推進の見本となるべきである。
- 結婚して家庭を持つことで、価値観を共有でき、相談できる人が家にいるだけで仕事にも励める。
(2)妊娠、出産について
- 産前産後ケアや子育て支援サービスを、全ての家庭に提供可能な体制整備が必要である。
- 不妊治療は事前に通院スケジュールが立てにくいため、職場をはじめ周囲の理解が不可欠である。
- 女性がキャリアを積むに当たり、卵子凍結を行うことが選択肢のひとつとしてあるといい。
(3)子育て支援(費用)について
- 希望する数の子供を持たない世帯がある主要因は、教育費など子育てに多くの費用がかかることである。
- 子供が多い世帯に対する助成などの支援があるといい。
- 東京は住居費が高いため、子育て世帯を支援する住宅政策が必要。子供の安全に配慮した住宅設備の設置等への支援も重要である。
(4)子育て支援(環境整備)について
- 地域コミュニティや自治体においては、多様な主体をネットワーク化しながら、地域で子育て支援に関わる人材を拡充し、市民協働の視点で体制を構築することが重要である。
- 安心して子供を産み育てられる環境整備の検討に際しては、子育て家庭の孤立を防ぐ視点が重要である。
3 有識者等
氏名 | 所属 |
---|---|
奥山 千鶴子 | NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長/ 認定NPO法人びーのびーの理事長 |
川崎 希 | タレント 株式会社アンティミンス代表取締役 |
坂元 晴香 | 東京女子医科大学医学部准教授/ 東京財団政策研究所主任研究員/ 東京大学国際保健政策学教室特任研究員/ WHO西太平洋事務局コンサルタント/ 日本医療政策機構シニアマネージャー |
山田 昌弘 | 中央大学文学部教授 |
ユージ | タレント 株式会社レプロエンタテインメント所属 |
(敬称略:五十音順)
- 令和4年11月下旬に個別にオンラインで実施
記事ID:000-001-20231008-000694